ストレス 便秘 手荒れ

大人の女性の場合、ニキどの誘因としてストレスが大きな位置を占めていることは確かです。それも、肉体的ストレスより、精神的ストレスが深く関わっていると考えられます。なぜなら、超多忙なキャリアウーマンでも、前向きに生き生きと働いているときには問題がなく、仕事や人間関係が暗礁に乗りあげたことをきっかけに肌トラブルが起こることが多いからです。また、一見平穏に暮らしているように見える専業主婦でも、嫁姑の確執や子どもの受験近所づきあいの煩わしさなどが、自覚のないまま潜在的ストレスとなって、ひどいニキビを引き起こしてしまうケースもあります。便秘が関係している場合もあります。耐えがたいほどイヤなことや腹の立つことは誰にでもあります。しかし、その抑圧ストレスが積もり積もって許容範囲を超えてしまうと、ニキピの誘因になってしまうということなのでしょう。特に、私の患者さんたちを見ていて感じるのは、生真面目、熱心、神経が細やか、責任感が強い、他人の評価を気にする……など、一生懸命でがんばり屋さんの女性はどストレスをため込みやすいということです。ストレス社会である現代、私たち皮膚科医は、肌の背景にある心の問題にも無関心ではいられません。こキビや便秘をできたきっかけを知るには、とにかく患者さんの話に耳を傾けることが大切です。患者さんの多くは、自分が抱えているストレスとこキビを直接結びつけて考えることはありません。でも、それに気づかなければ、ニキピの誘因であるストレスとの向き合い方を考え直してもらうきっかけができないのです。ひどいニキビに悩まされ、「どうしたらいいかわからない」と途方に暮れていた彼女たちは、ストレスが誘因のひとつとわかると解決の糸口が見つかって、少し安堵の表情を見せます。突然はうり込まれた長く暗いトンネルに、一筋の光がさしたように感じるのでしょう。治療が進むにつれ、彼女たちはもとの健康な肌をとりもどし、表情の輝きまで増していきます。ストレスがおおいと便秘になることもあります。便秘になると肌の調子も悪くなります。美容師が手荒れになりやすいことも同じです。 ただ、そうは言っても、肌も心も完治するまでの道のりは、そうそう簡単なものではありません。魔法の杖をふったら、次の瞬間きれいにニキビがなくなっていたというわけにはいかないからです。ニキビを気にし過ぎて、そのこと自体がストレスになって、悪化に追い討ちをかけている場合もあります。心の有り様は、ここまで肌に影響を及ぼしてしまうのだということを、どうぞ忘れないでください。便秘の解消の観点でも必要です。

2012年1月8日

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